吹奏楽・オーケストラでのバスクラの役割|アンサンブルで活きる場面

吹奏楽でのバスクラの役割を紹介する記事のアイキャッチ。音楽室で譜面台の前に立てたバスクラリネット

当サイトの記事は編集部がメーカー・楽器店・公的機関などの公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内に楽器買取サービスへの案内を含みます。

吹奏楽部でバスクラ担当になって、『低い音をずっと伸ばしているだけで、自分は何の役に立っているんだろう』と感じている方も多いはずです。

結論から言うと、吹奏楽でのバスクラの役割は低音の土台・木管と金管のつなぎ・メロディーの受け持ちの3つです。どれも合奏の響きを左右する大事な仕事なんです。

この記事を読むと、編成ごとのバスクラの出番と、合奏やアンサンブルで活きる吹き方の考え方が分かります。

目次

バスクラは吹奏楽で何をしている?3つの役割で見る

先に結論

バスクラの役割は「低音の土台」「木管と金管のつなぎ」「メロディーの受け持ち」の3つです。曲の場面によって、どの役割を担当しているかが入れ替わります。

まず、バスクラがどんな楽器かをおさらいしておきますね。辞書では、普通のクラリネットより1オクターブ低い音域を持つ大型のクラリネットと説明されています。

音楽用語辞典では、主にベース・サウンドの補強を中心とした役割を受け持つ楽器とされています。低い音域をくっきり演奏できる点に利用価値がある、という説明です。

ただ、低音を支えるだけの楽器ではありません。ビュッフェ・クランポンは、合奏の中で低音を支えるだけでなく、作品によって旋律や印象的なソロも担うと説明しています。

バスクラの役割を、低音の土台・木管と金管のつなぎ・メロディーの受け持ちの3つに分けて示した図解
役割合奏の中でしていること楽譜で見かける形
低音の土台ベースラインを吹いて和音の一番下を支える長く伸ばす音、低い音のリズム
木管と金管のつなぎ木管の響きを下から支え、低音金管と音色をなじませる低音楽器と同じ動きのユニゾン
メロディーの受け持ち旋律を1オクターブ下で重ねる、ソロを吹く中音域から高めの音での旋律

低音の土台:和音の一番下を支える

一番多いのが、この低音の土台です。楽器店の解説でも、吹奏楽やオーケストラでベースラインを担当する楽器として紹介されています。

和音の一番下の音が安定すると、上に乗る楽器の音程も取りやすくなります。逆に言えば、バスクラの音がふらつくと合奏全体がぐらつくことも。

『伸ばしているだけ』に見える音ほど、実は合奏を支えているんです。

木管と金管のつなぎ:響きをなじませる

ヤマハは、大編成の吹奏楽ではバスクラが木管楽器全体を支える役割を持つと説明しています。同じ音域のファゴットより強弱が自由な点も挙げています。

木管の柔らかい響きと、低音金管の太い響きの間に入って、両方をなじませるイメージです。ここを担当している時は、自分の音だけを聴くより、周りの低音楽器の音を聴きながら吹くとうまくいきます。

メロディーの受け持ち:旋律やソロも吹く

プロの吹奏楽団の奏者による解説では、バスクラは音域がとても広いため、伴奏・オブリガート・メロディーのすべてを担うとされています。メロディーでは、クラリネットやトランペットの1オクターブ下を支えることがよくあるそうです。

1オクターブ下で旋律を重ねると、メロディーに厚みと深さが出ます。主役の楽器を下から押し上げるような役どころですね。

クラリネットの仲間の中でのバスクラの位置

『アルトクラリネットやコントラバスとは何が違うの?』と思う方もいますよね。吹奏楽で使われるクラリネットの仲間を、低音の役割で並べると次のようになります。

楽器メーカーなどの説明低音での受け持ち
B♭クラリネット吹奏楽ではトランペットとともに主役旋律や和音の中心
E♭アルトクラリネット大編成の吹奏楽でB♭管の低音補強に使われるB♭管の下を補う
バスクラリネットB♭管より1オクターブ低く、木管全体を支える木管セクションの低音の柱
コントラバスクラリネットバスクラより1オクターブ低いさらに下の低音を足す

学校によっては、アルトやコントラバスがいない編成も多いはずです。そんな時は、クラリネットのセクションの低音をバスクラが一人で受け持つことになります。

バスクラの音域や大きさの違いは、バスクラとクラリネットの違いで比べています。

編成ごとに違うバスクラの出番

同じバスクラでも、吹奏楽・オーケストラ・アンサンブル・ジャズで出番の中身は変わります。次の表は、さきほどの3つの役割が編成ごとにどのくらい回ってくるかをまとめたものです。

この表の見方

メーカーや辞書の説明をもとに、この記事で役割の多さを3段階に分けたものです。曲によって大きく変わるので、目安として見てください。

編成低音の土台木管と金管のつなぎメロディーの受け持ち
吹奏楽多い多いときどき
オーケストラ多いときどきときどき
クラリネットアンサンブル多い少ないときどき
木管アンサンブル多いときどきときどき
ジャズときどき少ない多い

吹奏楽:木管全体を支える低音の柱

吹奏楽では、クラリネットはトランペットとともに主役の楽器とされています。その大きなクラリネットのセクションを、一番下から支えているのがバスクラです。

大編成の吹奏楽では、木管楽器全体を支える役割を担うというのがヤマハの説明です。チューバやユーフォニアム、バリトンサックスといった低音楽器と同じ動きをする場面も多いですよね。

吹奏楽の合奏で、低音楽器の隣に座ってバスクラリネットを吹く奏者の後ろ姿

マーチやポップスでも、ベースラインを刻む場面がたくさんあります。リズムの頭をそろえることが、バンド全体のノリを作ります。

オーケストラ:ファゴットと低音を分け合う

バスクラリネットはオーケストラでも使われる楽器です。海外の楽器教育資料では、19世紀半ばからオーケストラの木管セクションでバス声部をファゴットと分担してきたと説明されています。

同じ資料では、バスクラはファゴットよりかなり柔らかく響き、特に弱い音ではとても小さな音まで出せるとしています。静かな場面で、低いところからそっと響きを足す役割が回ってくることもあるんです。

吹奏楽のように毎曲出番があるとは限らないので、『オケだと休みが多いの?』と思う方もいるかもしれません。曲によって出番の量が大きく違う、と考えておくとよいですね。

アンサンブル:二重奏・三重奏で低音を担う

バスクラリネットのアンサンブルでは、低音を担当する場面がほとんどです。クラリネット三重奏でバスクラありの編成なら、B♭クラリネット2本の下でベースを支える形がよく見られます。

クラリネットとバスクラリネットの二重奏では、2本しかいないので、バスクラが伴奏と旋律を行き来する場面も出てきます。上のパートとリズムをそろえる練習が、ここで生きてきます。

クラリネットアンサンブルでは、バスクラより1オクターブ低いコントラバスクラリネットが加わることもあります。詳しくはコントラバスクラリネットとはで紹介しています。

ジャズ:特有の音色が好まれる

意外に思う方もいるかもしれませんが、バスクラリネットはジャズでも使われます。ヤマハは、オーケストラやジャズでも特有の音色が好まれ、よく用いられると説明しています。

ジャズでは低音の伴奏よりも、旋律やアドリブで深い音色を聴かせる場面が中心になります。吹奏楽とは違う楽しみ方ができるので、興味がある方は聴いてみてくださいね。

合奏でバスクラが活きる場面と吹き方の考え方

『低音担当って、具体的に何に気をつけて吹けばいいの?』という方も多いですよね。ここでは、役割ごとに意識したいことを見ていきます。

伴奏の時は低音楽器と打楽器を聴く

さきほどの奏者の解説では、伴奏の時は低音楽器としっかりコンタクトを取り、打楽器にも注意するよう勧めています。周りの低音楽器と同じタイミングで音を出すことが、土台の安定につながります。

例えば、こんなやり取りが合奏中によくあります。

「バスクラ、チューバと出だしがずれてるよ」
「すみません、チューバの音を聴いて合わせます」

自分の楽譜だけを追っていると、こうしたずれに気づきにくいんです。

伴奏を吹く時に確かめたいこと
  • 同じ動きをしている低音楽器がどれかを把握する
  • 打楽器のリズムと出だしがそろっているかを聴く
  • 伸ばす音の最後まで音程が下がっていないかを確かめる
  • 音を切るタイミングを低音楽器と合わせる

メロディーを重ねる時は主役を立てる

旋律を1オクターブ下で重ねる時は、上の楽器より目立たないことがポイントです。主役のメロディーに深さを足すつもりで吹くと、合奏の響きがきれいにまとまります。

逆に、ソロやソリを任された時は、遠慮しすぎないことも大事です。ここが大事なところで、同じ旋律でも「支える時」と「聴かせる時」で音量の考え方を切り替えるんです。

今どの役割かを楽譜から見分ける

合奏中に自分が今どの役割なのかが分かると、吹き方を切り替えやすくなります。パート譜とスコアを見比べて、次のように確かめてみてください。

支える場面のサイン
  • チューバやバリトンサックスと同じ音の動き
  • 長く伸ばす音や、拍の頭だけを吹くリズム
  • 強弱記号が周りの低音楽器とそろっている
聴かせる場面のサイン
  • 上のクラリネットやトランペットと同じ旋律
  • solo や soli の書き込み
  • 周りの楽器が休みか、とても小さな音になっている

細かい低音の動きは早めに練習しておく

音楽用語辞典では、バスクラは低い音域がくっきり演奏できる一方で、低い音域の細かいフレーズは演奏しにくいとされています。低音で速く動く場面は、早めに取り出して練習しておくと安心です。

低音の速いフレーズを練習する手順
  1. 速く動く小節に印をつけて取り出す
  2. ゆっくりのテンポで、音の並びと指の動きを確かめる
  3. リズムを変えたり区切ったりして、つまずく所だけを繰り返す
  4. 少しずつテンポを上げて、本来の速さに近づける
  5. 前後の小節とつなげて、合奏の流れの中で吹く

運指で迷う所はバスクラの運指表の見方も参考にしてみてください。

合奏の中でバスクラが低音楽器と打楽器を聴きながら吹く時の意識を、伴奏・旋律の重ね・ソロの3場面で示した図解
場面意識したいことよくあるつまずき
伴奏(ベースライン)低音楽器と出だし・音の切り方をそろえる自分の楽譜だけを見て周りとずれる
旋律を1オクターブ下で重ねる主役より目立たず、深さを足す音量が出すぎてメロディーを覆う
ソロ・ソリ遠慮せずに聴かせる伴奏と同じ音量のまま埋もれる
弱い音の場面小さな音でも響きを保つ音がかすれたり消えたりする

バスクラが目立つ曲・おいしい曲とコンクールでの出番

『バスクラが目立つ曲を吹奏楽でやってみたい』『おいしい曲ってないの?』と思う方もいますよね。ここでは、曲名ではなく探し方と考え方をまとめておきます。

目立つ曲は楽譜の表記から探す

バスクラが目立つ曲を探す時は、スコアやパート譜で「Bass Cl.」の表記を見て、ソロやソリの書き込みがあるかを確かめるのが近道です。ソロは1人だけで旋律を吹く場面、ソリはパート全体で旋律を吹く場面です。

楽器店や楽譜を扱うお店で、「バスクラにソロがある吹奏楽曲を探しています」と相談するのも一つの方法です。演奏会の曲選びの段階で、顧問や指揮者に希望を伝えておくのもいいですね。

おいしい曲かどうかを見分けるポイント
  • パート譜に「solo」「soli」の書き込みがある
  • ベースラインだけでなく、中音域で旋律を吹く小節がある
  • 静かな場面で、低音がはっきり聴こえる書き方になっている
  • 低音楽器が休みで、バスクラだけが低音を担う場面がある

ソロ曲の選び方や伴奏の考え方は、バスクラのソロ曲・ソロコンの選び方で詳しく紹介しています。

コンクールでのバスクラの出番

吹奏楽のコンクールでは、バスクラはバンドの低音を支える一員として出場します。課題曲でも自由曲でも、和音の一番下を安定させられるかどうかで、バンド全体の響きが変わってきます。

一方、ソロやアンサンブルのコンクールに出たい場合は、出場できる楽器や部門が大会ごとに違います。日本のバスクラリネット奏者向けの大会を探す時も、まずは募集要項を読むところからです。要項に「クラリネット」としか書かれていない時は、バスクラが含まれるか事務局に問い合わせてみてください。

コンクール前によくある失敗

レジスターキーの不調やタンポの劣化を放置したまま本番が近づくことです。キイのゆがみやタンポの劣化があると、音が出ない・音抜け・音程不良につながるとメーカーの取扱説明書も説明しています。気になる所は早めに楽器店で点検してもらいましょう。

点検や修理の目安はバスクラのレンタルと修理・調整にまとめています。

コンクールの服装はどう考える?

バスクラは床にエンドピンを立て、楽器を体の前で支えて吹きます。そのため、本番の服装で構えやすいかどうかは、早めに確かめておきたいところです。

服装は学校や団体の決まりがあるので、それに従うのが基本です。迷った時は「本番の服装で一度構えてみたいです」と顧問や先輩に相談してみてください。

知恵袋でよくある相談:バスクラの役割とコンクール

Yahoo!知恵袋には、バスクラの役割やコンクールについての相談がたくさん寄せられています。閲覧の多い相談から3つ選んで、要点をまとめてお答えしますね。

相談1:バスクラはどんな音が「いい音」なの?

吹奏楽でバスクラを吹いていて、どんな音を目指せばいいのか、いい音を出すコツは何か、という相談です。

バスクラの役割から考えると、合奏の中で低音がしっかり聴こえ、周りの響きとなじむ音が一つの目標になります。海外の楽器教育資料では、低音域は暗く柔らかく豊かな響き、上の音域は明るく力強い響きと説明されています。

まずは音域ごとの音色の違いを知って、低音では深く、高めの音では詰まらずに鳴らすことを意識してみてください。構え方や口の形はバスクラの吹き方で詳しく紹介しています。

相談2:バスクラにソロがある吹奏楽曲を知りたい

ポップスからコンクールの曲まで、バスクラにソロがある吹奏楽曲を幅広く教えてほしい、という相談です。

曲名を探す時は、この記事で紹介した「楽譜の表記から探す」方法が役立ちます。演奏会の曲を決める時期に、パート譜にソロやソリの書き込みがあるかを確かめてもらうと、目立つ場面のある曲が見つかりやすいですよ。

相談3:コンクールで音が高くて速い曲を吹くことになった

コンクールの曲に、高い音で速く動く部分があってうまく吹けない、という相談です。

プロの奏者の解説では、高い音域では下唇を少しゆるめる適度な脱力と、口の中を意識して広げることが大切とされています。B♭クラリネットの感覚で口を締めると、かえって音が詰まることもあるんです。

速さについては、さきほどの手順のように取り出してゆっくり練習するのが近道です。高音のコツはバスクラの高音のコツも見てみてくださいね。

卒業後もバスクラを続けるなら

高校や大学を卒業した後に、社会人の吹奏楽団やアンサンブルでバスクラを続ける道もあります。団体のメンバー募集では、楽器ごとに募集しているパートが書かれていることが多いので、バスクラが入っているかを見てみてください。

『楽器は持っていないけど大丈夫?』と心配になる方もいますよね。団体の楽器を借りられる場合もあるので、募集を見つけたら「バスクラの楽器はありますか」と聞いてみてください。

自分の楽器を新しく買う時は、手元の楽器を査定に出して、買い替えの資金にする方法もあります。卒業や引退で使わなくなったバスクラは、買取に出して次の奏者に回すという選択肢もありますよ。

バイセル 楽器買取

使わなくなったバスクラは、出張買取で査定してもらう方法も

重くて大きいバスクラは、持ち運ばずに自宅で査定してもらえる出張買取が便利です。バイセルの管楽器買取は出張・宅配・店頭の3つの方法があり、出張料や査定料などの手数料は無料と案内されています。査定前に軽く汚れを拭き、ケースやマウスピースなどの付属品をそろえておきましょう。

無料バイセルの管楽器買取を見る

買取の可否・条件・金額は公式サイトでご確認ください。

よくある質問

吹奏楽でバスクラはどんな役割ですか?

主な役割は、ベースラインで和音の一番下を支える「低音の土台」、木管と低音金管の響きをなじませる「つなぎ」、旋律を1オクターブ下で重ねたりソロを吹いたりする「メロディーの受け持ち」の3つです。

バスクラリネットはオーケストラでも使われますか?

使われます。海外の楽器教育資料では、19世紀半ばからオーケストラの木管セクションでファゴットとバス声部を分担してきたと説明されています。曲によって出番の量は大きく違います。

バスクラリネットはジャズでも使われますか?

使われます。ヤマハは、オーケストラやジャズでも特有の音色が好まれ、よく用いられると説明しています。

クラリネット三重奏でバスクラありの編成ではどこを吹きますか?

多くの場合、B♭クラリネットの下でベースを支えるパートを担当します。曲によっては旋律を受け持つ場面もあるので、上のパートとリズムをそろえる練習をしておくと安心です。

バスクラリネットの協奏曲はありますか?

ビュッフェ・クランポンは、バスクラが吹奏楽やオーケストラ、室内楽だけでなく独奏でも活躍すると説明しています。協奏曲や独奏曲を探す時は、楽譜を扱うお店や指導者に相談してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 吹奏楽でのバスクラの役割は「低音の土台」「木管と金管のつなぎ」「メロディーの受け持ち」の3つ
  • 吹奏楽では木管全体を支え、オーケストラではファゴットと低音を分け合う
  • アンサンブルではベースを担当することが多く、ジャズでは音色を聴かせる場面が中心
  • 伴奏では低音楽器と打楽器を聴き、旋律を重ねる時は主役を立てる
  • 目立つ曲は楽譜のソロ・ソリの表記から探し、コンクール前は楽器の点検も済ませておく
バスクラドットコム

バスクラドットコム 編集部

バスクラ(バスクラリネット)の仕組みと音域、吹き方と練習、メーカーごとのモデルの違い、リード・マウスピース・スワブなどの付属品とお手入れ、中古での買い方や使わなくなった時の売り方までを整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次