バスクラのお手入れ|吹いた後の手入れ・お手入れセット・保管のコツ

バスクラのお手入れを紹介する記事のアイキャッチ。分解したバスクラリネットにスワブを通す手元

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バスクラ担当になって、『吹いた後って何をすればいいの?』『お手入れセットってどれを買えばいい?』と迷っている方も多いはずです。

結論から言うと、バスクラのお手入れは吹いた直後の水分取りがいちばん大事です。そこに週に1度の細かい掃除、月に1度のキーオイル、季節の変わり目の割れ対策を足していけば十分ですよ。

この記事では、お手入れを時間軸で分けて、それぞれの作業と道具を見ていきますね。

目次

バスクラのお手入れは「いつやるか」で分けると迷わない

先に結論

お手入れは「吹いた直後」「週に1度」「月に1度」「季節の変わり目」の4つのタイミングで考えます。毎日やるのは吹いた直後の水分取りだけです。

お手入れの説明を読むと、道具も作業もたくさん出てきて『全部毎日やるの?』と不安になりますよね。実は、毎日やることはそれほど多くないんです。

ヤマハの「楽器解体全書」では、クラリネットのお手入れを演奏後・週に1度・月に1度・季節ごとに分けて説明しています。バスクラもクラリネットの仲間なので、この時間軸で考えると分かりやすくなります。

バスクラのお手入れを、吹いた直後・週に1度・月に1度・季節の変わり目の4つのタイミングに分け、それぞれの作業を並べた図解
タイミングやること使う道具
吹いている途中水分がたまったらスワブを通すスワブ(L)
吹いた直後リードを外す、管内とジョイントの水分を取る、表面を拭くスワブ、ガーゼ、ポリシングクロス、クリーニングペーパー
週に1度キイの下やキイの間の細かいほこりを取るトーンホールクリーナー
月に1度キイのネジの緩みを見る、キイオイルを差すキイオイル(ヘヴィー)
季節の変わり目冬と梅雨の割れ対策、コルクの状態を見るケース、ボアオイル

この表は、ヤマハとビュッフェ・クランポン・ジャパンの説明をもとに、バスクラ向けに並べ直したものです。どちらもB♭クラリネットを中心にした説明なので、楽器の取扱説明書もあわせて確かめておきましょう。

木製と樹脂製で手入れは違う?

木製のバスクラと樹脂(ABS)製のバスクラで手入れを分けたメーカーの説明は、確認できませんでした。ヤマハのYCL-221IIは管体がABS樹脂です。どちらでも、水分を取って乾いた状態でしまう基本は同じと考えておけば安心です。

バスクラのお手入れセットは何をそろえる?

『バスクラ用のお手入れセットが見つからない』という相談はよくあります。バスクラ用とうたったセットが見つからない時は、必要な物を1つずつそろえれば大丈夫です。

参考になるのが、ヤマハの楽器レンタル「音レント」のバスクラリネットの案内です。中古プランで用意する消耗品として、スワブ・クロス・クリーニングペーパー・サムレストクッションなどが挙げられています。

道具使う場面バスクラで気をつける点
スワブ(管体用)吹いた直後・途中バスクラ用のLサイズ
スワブ(マウスピース用)吹いた直後Sサイズ
ポリシングガーゼジョイントの水分・グリススワブと分ける
ポリシングクロス表面を拭くキイに力を掛けない
クリーニングペーパータンポの水分キイを離してから抜く
コルクグリス組み立てが固い時しまう前に拭き取る
トーンホールクリーナー週に1度の細部掃除キイの下とキイの間
キイオイル月に1度ヤマハではヘヴィー
サムレストクッション右手親指の当たり必要に応じて

全部を初日にそろえる必要はありません。まずはスワブ(LとS)・ガーゼ・クロス・クリーニングペーパー・コルクグリスの5種類があれば、吹いた直後のお手入れはできますよ。

最初にそろえる物
  • バスクラ用のスワブ(L)
  • マウスピース用のスワブ(S)
  • ポリシングガーゼ
  • ポリシングクロス
  • クリーニングペーパー
  • コルクグリス

吹いた直後のお手入れ手順

先に結論

吹き終わったら、リードを外す、マウスピースと管体にスワブを通す、ジョイントの水分を拭く、表面を拭く、の順で進めます。

『部活の片付けの時間が短くて…』という方も多いですよね。でも、この短い作業を毎回続けるかどうかで、楽器の状態は大きく変わってきます。

吹いた直後のお手入れ
  1. リードを外して水分を拭き、リードケースにしまう
  2. マウスピースにSのスワブをジョイントコルク側から通す
  3. 管体にLのスワブを通して中の水分を取る
  4. ジョイント部の水分をガーゼやティッシュで拭き取る
  5. タンポの水分をクリーニングペーパーで取る
  6. 表面をポリシングクロスで拭いてケースにしまう

マウスピースとリード

ヤマハは、演奏のあとはリードを外して十分に水分を拭き、大切に保管するよう案内しています。マウスピースはクリーニングスワブ(S)をジョイントコルク側から入れて、水分や汚れを拭き取ります。

その時、マウスピースの先端を傷つけないよう注意してください。先端はリードが振動する大事な部分なんです。

管体にスワブを通す

管体にはクリーニングスワブを通して中の水分を取ります。ヤマハの説明では、クラリネットはM、バスクラリネットはLのスワブを使います。

引っ掛かった時は無理をせず、少しずつ通すのがコツです。スワブの選び方や通し方はバスクラのスワブの選び方で詳しく紹介しています。

ジョイント部はスワブで拭かない

ジョイント部は水分がたまりやすく、ヒビ割れを起こすおそれがあるとヤマハは説明しています。ポリシングガーゼなどで念入りに水分を取っておきましょう。

ビュッフェ・クランポン・ジャパンは、接合部の水をスワブで拭き取らないよう案内しています。スワブの吸水性が落ちるうえ、スワブに付いたコルクグリスが管内の汚れの原因になるからです。

よくある失敗

スワブ1本で、ジョイントのグリスまで一緒に拭いてしまうことです。グリスはガーゼやティッシュ、管内はスワブと、拭く物を分けておきましょう。

バスクラリネットのベルの掃除

『ベルの中ってどうやって掃除するの?』と気になる方もいるはずです。バスクラのベルは上向きに反った形なので、水分やほこりが残っていないか目で見て確かめやすい場所でもあります。

ベルの表面はポリシングクロスで管体にそって拭きます。ヤマハは、キイに力が掛からないように拭くよう案内しているので、ベルに付いたキイを押さないよう気をつけてください。

バスクラのタンポの水分を取る

タンポは、キイの裏に付いていて穴をふさぐ部品です。ここに水分が残ると、ベタつきや音の出にくさにつながります。

ヤマハは、トーンホールの隙間にクリーニングペーパーをはさみ、キイを軽く数回押さえて水分を取る方法を紹介しています。当てる場所を変えて2〜3回くり返すとよいそうです。

タンポを傷めないために

キイを押さえたままクリーニングペーパーを引き抜くと、タンポを破損する恐れがあります。キイを離してからペーパーを抜いてください。タンポがベタつく時は、使う前に水分を取ったパウダーペーパーを使います。

吹いている最中に急に音が出なくなった時も、トーンホールにたまった水分が原因のことがあります。マックコーポレーションの取扱説明書では、キイを開いて息で水分を飛ばし、クリーニングペーパーで取る方法が紹介されています。

週に1度・月に1度のお手入れとキーオイルの使い方

週に1度:キイのまわりの細かい掃除

ヤマハは週に1度、管体の掃除と合わせて、トーンホールクリーナーでキイの下側やキイの間など細かい所を掃除するよう案内しています。

バスクラはキイの数が多く、ほこりがたまりやすい場所もたくさんあります。週末の練習後など、時間を決めておくと続けやすいですよ。

キイの色が変わってきたら

ヤマハは、メッキ仕上げの管楽器は時間がたつと表面が変色する場合があるけれど、演奏には支障がないと説明しています。手入れ用品は、メッキの種類に合った専用の物を使うよう案内されています。

『キイがくすんできたけど、磨いたほうがいい?』と気になった時も、家庭用の研磨剤などは使わず、楽器用の物を選んでおくと安心です。

月に1度:キイのネジとキーオイル

ヤマハは月に1度、キイの具合をチェックし、ネジが緩んでいたら楽器店で調整するよう説明しています。ネジは自然に緩むことがあるので、見るだけでも続けておきたい習慣です。

バスクラのキーオイルの使い方

『キーオイルってどこに差すの?』という方も多いはずです。キイオイルは、キイの動く部分に少量差して使います。

キーオイルの差し方
  1. キイの動く部分(軸のつなぎ目)を確かめる
  2. オイルを少量だけ差す
  3. キイを数回動かしてなじませる
  4. 余分なオイルや管体に付いたオイルを十分に拭き取る

ヤマハのキイオイルは、粘度の違うライト・ミディアム・ヘヴィーの3タイプがあります。ヤマハの説明では、バスクラリネットはサクソフォンやファゴットと同じヘヴィーを使います。

タイプヤマハが挙げる楽器
ライトピッコロ・フルート・オーボエなど
ミディアムクラリネット
ヘヴィーサクソフォン・バスクラリネット・ファゴット

頻度は1ヶ月に1度程度、手に汗をかくタイプの方は2週間に1度程度が目安とされています。オイルをささないと、キイ同士が擦れてノイズが出たり、ひどくなるとガタつきが出たりするんです。

季節の変わり目のお手入れと保管のコツ

先に結論

冬と梅雨は割れに気をつける季節です。冷えた楽器はケースから出して室温に慣らしてから吹き、しまう前は水分をよく取ってケースに入れておきましょう。

ヤマハは、冬に木管楽器が割れやすいのは、冷えた楽器に36〜37度前後の息が入って管の内と外に温度差が生じるためと説明しています。急な湿度の変化も原因になり、梅雨時も注意が必要です。

ヒビが最も入りやすいのは上管で、見つけたら早めに専門店へ相談するよう案内されています。

冬と梅雨にやること

割れを防ぐための確認
  • 使う前にケースから出して、楽器を室温に慣らしている
  • 冷えた楽器を息で温めようとしていない
  • 吹いている途中もこまめにスワブを通している
  • 吹いた後は水分をよく取ってからケースにしまっている
  • 移動の時は楽器をケースに入れている

ビュッフェ・クランポン・ジャパンは、使用中は5〜10分を目安にスワブを通し、ベルの下から水滴が落ちてくる前にスワブを通すよう案内しています。B♭クラリネットの説明ですが、水分をためない考え方はバスクラでも同じです。

湿気対策として、スワブで水分を取って掃除した後、別のスワブにボアオイルを少しなじませて管内に行き渡らせる方法もヤマハは紹介しています。

新しい楽器を使い始める時

ヤマハは、天然木の管体は急な温度・湿度の変化でヒビ割れやつなぎにくさが出ると説明しています(プラスチック製は除く)。新しい楽器は、最初の2週間は1日20〜30分位にとどめるよう案内されています。

ケースでの保管と乾燥剤

『ケースに乾燥剤を入れておけば安心?』と思う方もいるかもしれません。ビュッフェ・クランポン・ジャパンは、楽器ケース内に乾燥剤などを入れておくのは勧めないと案内しています。

一方で、ケース内の湿度を40〜60%に保つ布(モイスレガード)を紹介している買取会社のコラムもあります。乾燥剤と湿度を調整する布は別物なので、混同しないようにしましょう。

保管で気をつけること理由・出典
しまう前にグリスを拭き取るほこりがコルクに付き管体が傷む可能性(ヤマハ)
スワブを楽器に入れたまましまわないヤマハはスワブを楽器やケースに密着させたまま保管しないよう案内
ケースに乾燥剤を入れないビュッフェ・クランポン・ジャパンは勧めないと案内
湿気の多い季節は消臭グッズもヤマハがケース用デオドラントを紹介

ケースの選び方や運び方はバスクラのケースの選び方で紹介しています。

自分でやるお手入れと楽器店に任せる調整の分け方

『どこまで自分でやって、どこから楽器店に頼むの?』と迷う方も多いですよね。ここが大事なところで、無理に自分で直そうとしないことが楽器を長持ちさせるコツなんです。

内容自分でやる楽器店に相談
水分取り・拭き掃除毎回やる不要
キイオイル月に1度不要
キイのネジの緩み見つけるまで締め直しや調整
ジョイントのコルクグリスで様子を見るへたったら交換(目安1、2年)
タンポの破れ・変色見つけるまで交換や調整
管体のヒビ見つけたら使用を止めるすぐに修理

ヤマハは、劣化したコルクは上管を持った時に下管が抜け落ちる危険があり、交換が必要と説明しています。コルクは消耗品で、交換の目安は1、2年とされています。

点検の頻度の目安

点検の頻度を数字で示したメーカーの説明は見当たりませんでした。ヤマハはキイの具合を定期的にチェックするよう、ビュッフェ・クランポン・ジャパンは定期的に購入店などに調整を依頼するよう案内しています。

買取会社の福ちゃんのコラムでは、クラリネットのメンテナンスは3〜4か月に1回がおすすめとしています。毎日吹くけれど費用が気になる学生は半年に1回、ほとんど吹かない人は1年に1回でも問題ないとされています。

同じコラムでは、1回のメンテナンス料金は4,000〜5,000円が一般的(部品交換は追加)と紹介されています。クラリネットについてのコラムの目安なので、バスクラは楽器店で見積もりを取っておきましょう。

レンタル中の点検や修理の考え方はバスクラのレンタルと修理・調整で詳しく紹介しています。

お手入れした楽器を次につなぐ

丁寧にお手入れしてきた楽器は、卒業や買い替えで手放す時にも状態の良さが生きてきます。買取会社のバイセルは、保存状態が良く付属品がそろっている物は高値が期待できると案内しています。

卒業や買い替えで使わなくなったバスクラは、買取に出して次の奏者に回す方法もあります。

バイセル 楽器買取

使わなくなったバスクラは、出張買取で査定してもらう方法も

重くて大きいバスクラは、持ち運ばずに自宅で査定してもらえる出張買取が便利です。バイセルの管楽器買取は出張・宅配・店頭の3つの方法があり、出張料や査定料などの手数料は無料と案内されています。査定前に軽く汚れを拭き、ケースやマウスピースなどの付属品をそろえておきましょう。

無料バイセルの管楽器買取を見る

買取の可否・条件・金額は公式サイトでご確認ください。

知恵袋でよくある相談:お手入れ用品とやり方の悩み

Yahoo!知恵袋にも、バスクラのお手入れについての相談が多く寄せられています。閲覧の多いものから3つ選んで、要点をまとめてお答えしますね。

相談1:お手入れ用品として何を用意すればいい?

スワブとコルクグリスと古いクロスはあるけれど、クロスやオイルは何を買えばいいか分からないという相談です。

クロスは、ジョイントの水分やグリスを拭くガーゼと、表面を拭くポリシングクロスの2種類があると便利です。オイルは、ヤマハの説明ではバスクラリネットはヘヴィーのキイオイルを使います。

これにクリーニングペーパーを足せば、毎日のお手入れに必要な物はそろいます。トーンホールクリーナーは、週に1度の掃除を始める時に追加すれば十分ですよ。

相談2:新入生にバスクラのお手入れをどう教えればいい?

新しくバスクラ担当になった後輩に、お手入れの方法を教えたいという相談です。

最初は「吹いた直後」の6つの手順だけを、一緒に何回かやってみるのがおすすめです。週や月のお手入れは、慣れてきてから少しずつ伝えれば大丈夫です。

「スワブはLのほう、マウスピースはSのほうね」
「ジョイントはスワブじゃなくてガーゼで拭くんですね」

こんなふうに、道具の使い分けを言葉にして確かめ合うと覚えやすくなります。

相談3:バスクラのお手入れセットがどこにも売っていない

バスクラリネット用と書かれたお手入れセットが見つからないという相談です。

セットにこだわらず、この記事の「最初にそろえる物」を1つずつ買えば問題ありません。

![バスクラのお手入れで最初にそろえる道具を、使う場面ごとに並べた図解](fig:fig2)スワブはバスクラ用のL、キイオイルはヘヴィーと、サイズや種類だけは間違えないようにしてください。

よくある質問

バスクラのお手入れは毎日何をすればいいですか?

吹いた直後に、リードを外す、マウスピースと管体にスワブを通す、ジョイントの水分を拭く、タンポの水分を取る、表面を拭く、の順で進めます。週や月のお手入れは別のタイミングで行います。

バスクラのお手入れセットは何をそろえればいいですか?

最初はバスクラ用のスワブ(L)、マウスピース用のスワブ(S)、ガーゼ、ポリシングクロス、クリーニングペーパー、コルクグリスがあれば十分です。慣れてきたらトーンホールクリーナーとキイオイルを足します。

バスクラのキーオイルはどれを使えばいいですか?

ヤマハの説明では、バスクラリネットはヘヴィータイプのキイオイルを使います。1ヶ月に1度程度、キイの動く部分に少量差し、余分なオイルは拭き取ります。

タンポがベタつく時はどうすればいいですか?

ヤマハは、使う前にクリーニングペーパーで水分を取ったパウダーペーパーを使う方法を紹介しています。破れや変色がある時は、楽器店に相談してください。

ケースに乾燥剤を入れてもいいですか?

ビュッフェ・クランポン・ジャパンは、楽器ケース内に乾燥剤などを入れておくのは勧めないと案内しています。湿度を調整する布とは別物なので混同しないようにしましょう。

まとめ

この記事の要点
  • バスクラのお手入れは吹いた直後・週に1度・月に1度・季節の変わり目に分けて考える
  • 毎日やるのは吹いた直後の水分取りで、スワブはバスクラ用のLを使う
  • ジョイントはスワブではなくガーゼで拭き、タンポはクリーニングペーパーで水分を取る
  • キイオイルはヤマハの説明ではヘヴィーを月に1度程度
  • 冬と梅雨は割れに注意し、ケースに乾燥剤は入れない
バスクラドットコム

バスクラドットコム 編集部

バスクラ(バスクラリネット)の仕組みと音域、吹き方と練習、メーカーごとのモデルの違い、リード・マウスピース・スワブなどの付属品とお手入れ、中古での買い方や使わなくなった時の売り方までを整理している情報サイトです。 公式サイト

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