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バスクラ担当になって楽譜を開いたら、『この低い音、どの指で押さえるの?』と手が止まってしまった方も多いはずです。
結論から言うと、バスクラの運指はクラリネットと同じ所、バスクラ独自の所、ロング管だけの所の3つに分けると、覚え直す範囲がぐっと狭くなります。
この記事では、運指表の見方と、持ち替えた人が戸惑いやすい低音域の指使いを順番にお伝えしますね。
バスクラの運指は「同じ所・独自の所・ロング管だけの所」に分けて覚える
バスクラリネットの運指は、中音域から高音域は基本的にB♭クラリネットと同じです。覚え直すのは、低音域の指使いと、使っている楽器にだけ付いているキーの部分です。
バスクラはB♭クラリネットと同じB♭管で、運指もほぼ同じとされています。そのため、クラリネットから持ち替えて吹く人も多いんです。
ただ、楽器店のリペア窓口が公開しているよくある質問では、低音域にはバスクラならではの運指が出てくると説明しています。さらに、Low E♭の楽器とLow Cの楽器でも、運指が若干変わるそうです。

持ち替えた人が覚え直す所の早見表
次の表は、B♭クラリネットを吹いていた人が、どこを新しく覚える必要があるかを3つに分けたものです。全部を一度に覚えようとしなくて大丈夫ですよ。
| 分け方 | どの音域・キーか | 覚え直す量 | 覚えるときのコツ |
|---|---|---|---|
| クラリネットと同じ所 | 中音域から高音域の多く | 少ない | 今の指使いのまま吹いてみる |
| バスクラ独自の所 | 低音域の指使い、レジスターキーの使い方 | 中くらい | 楽譜に出てきた音から1つずつ覚える |
| ロング管だけの所 | Low E♭より下の音を出すキー | 楽器による | 自分の楽器のメーカーの運指表で確かめる |
『全部ゼロから覚えるのかと思ってた』という方は、少しほっとしたのではないでしょうか。クラリネットで覚えた指は、そのまま大きな財産になります。
なぜ同じ指で吹けるのか
バスクラもB♭クラリネットも、B♭を基準にした移調楽器です。楽譜上のドを吹くと、実際にはシ♭の音が鳴ります。
バスクラはそこからさらに1オクターブ低い音域の楽器です。楽譜を同じように読めるので、指使いもほとんどそのまま使えるんですね。
バスクラの運指表の見方:記譜と実音を先にそろえる
運指表を引く前に、楽譜の音が「記譜」なのか「実音」なのかを確かめましょう。ここを取り違えると、運指表を見ても違う音の指使いを探してしまいます。
バスクラの運指表は、ふつう楽譜に書かれた音(記譜音)で並んでいます。一方で、合奏で「ベーを合わせて」と言われる時は、実際に鳴る音(実音)の話です。
チューニングのB♭は楽譜のどの音?
ヤマハの説明では、B♭管は楽譜のドで実音のシ♭が鳴ります。つまり吹奏楽でチューニングに使うB♭は、バスクラの楽譜ではドにあたる音です。
「チューニングのベーってどの指?」
「バスクラの楽譜でいうとドだよ。運指表ではドを探してみて」
こんなふうに、先に記譜の音に直してから運指表を引くのがコツです。
なお、プロの吹奏楽団の楽団員による解説では、チューニングで使う記譜のシやドは、楽器のつくりの関係でかなり音程が高くなりやすいとされています。チューナーの針が高めに振れても、指使いが間違っているとは限りません。
ト音記号とヘ音記号の楽譜
ウィーンの楽器教育資料によると、バスクラの楽譜には2つの書き方があります。
| 書き方 | 使う記号 | 実際に鳴る音 |
|---|---|---|
| フランス式 | ト音記号 | 書かれた音より長9度低い |
| ドイツ式 | ヘ音記号 | 書かれた音より長2度低い |
吹奏楽でよく見るのはト音記号の楽譜で、B♭クラリネットと同じ読み方で運指表を引けます。ヘ音記号の楽譜が来た時は、読み替えが必要になるので、指導者に確かめてみてください。
楽譜の読み方はバスクラの音域と楽譜で詳しく紹介しています。
運指表の図の読み方
多くの運指表は、楽器のキーや穴を丸や形で描き、ふさぐ所を塗りつぶして描いています。最初は図と自分の楽器を見比べて、どの丸がどのキーなのかを1つずつ確かめましょう。
- 楽譜の音を、記譜の音として読んでいるか
- 運指表がバスクラ用か、B♭クラリネット用か
- 自分の楽器がLow E♭までか、Low Cまでか
- 同じ音に複数の指使い(替え指)が載っていないか
『運指表を見ても、自分の楽器と形が違う気がする』と感じたら、運指表が別の楽器向けの可能性があります。バスクラ用の図かどうかを最初に確かめておくと安心です。
低音域とロング管の運指:低いレ・Low E♭・最低音
低音域の指使いは、バスクラで一番覚え直しが必要な所です。どこまで低い音が出せるかは楽器の種類で決まるので、まず自分の楽器の最低音を確かめましょう。
自分の楽器の最低音を確かめる
バスクラには、最低音がLow E♭のショート管と、Low Cまで出るロング管があります。楽器店の説明では、Low E♭タイプの最低音は記譜のミ♭、Low Cタイプの最低音は記譜のドです。
| 種類 | 記譜の最低音 | 実際に鳴る音 | 運指表で見る所 |
|---|---|---|---|
| ショート管(Low E♭) | ミ♭ | レ♭(D♭) | Low E♭キーの押さえ方 |
| ロング管(Low C) | ド | シ♭ | Low D・C♯・Cのキー |
ビュッフェ・クランポンのラインナップには、最低音がE♭、D、Cのモデルと、延長管でDとCを切り替えられるモデルもあります。自分の楽器がどれにあたるかは、ベルの近くのキーの数やメーカーの仕様で確かめられます。
ショート管とロング管の違いそのものはバスクラのロング管とショート管の違いで比べています。
バスクラの「低いレ」はどこのレ?
『楽譜に低いレが出てきたけど、運指表に載ってない』という相談はよくあります。まずは、そのレが五線のどのあたりにあるかを確かめてみてください。
五線のすぐ下あたりのレなら、B♭クラリネットでも吹く音域です。クラリネットと同じ指使いで出せることが多いので、手元の運指表で確かめましょう。
一方、クラリネットの最低音のミよりさらに下のレは、ショート管では出せません。Low Dまで出るモデルか、ロング管でなければ届かない音なんです。
「低いレ」が出ないのは、指使いが間違っているからとは限りません。楽器がLow E♭までのショート管なら、そもそもその音は出ないので、楽譜を書き換えるか楽器を変えるかを指導者に相談してみてください。
Low E♭の指使いが楽器で違う理由
Low E♭のキーの付き方は、メーカーや機種で少しずつ違います。例えばヤマハのYCL-622IIは、仕様にLow E♭キイと替指E♭キイを挙げています。
セルマーのプリヴィレッジは、Low Cモデルにレバーと親指のE♭キーが付いていると説明しています。同じE♭でも、押さえ方が複数ある楽器があるということですね。
ビュッフェ・クランポンの説明では、Low Dまで出るモデルは、Low E♭をベルではなく管体側の音孔から出せるため、周りの音と音色をそろえやすいそうです。こうした違いがあるので、運指表は自分の楽器のメーカーの物を見るのが確実です。
バスクラのロング管の運指で増える所
ロング管(Low C)の運指表を見ると、ショート管には無いキーが加わっています。ヤマハのYCL-622IIでは、Low D・C♯・Cキイと、Low Dレバーが仕様に挙がっています。
キーの数で見ると、セルマーのプリヴィレッジはLow E♭モデルが19キー、Low Cモデルが22キーです。ビュッフェ・クランポンのプレステージュBC1193は24キーと案内されています。

- 自分の楽器のメーカーの運指表で、Low E♭より下の音を探す
- Low D、C♯、Cのキーが楽器のどこにあるか、実物で確かめる
- ゆっくりのロングトーンで、1音ずつ指を置いて鳴らす
- 楽譜に出てくる順番どおりに、前後の音とつないで練習する
バス クラリネットの運指表でlowcと書かれていたり、Low Cと書かれていたりと、表記はばらばらです。どれも最低音がドまで出るロング管のことを指していると読めば大丈夫です。
バスクラの高音域とレジスターキーの指使い
バスクラの高い音は、レジスターキーを使って12度上の音を出す仕組みです。指使いはクラリネットとほぼ同じですが、レジスターキーの数と働き方が違う所に気をつけましょう。
ヤマハは、クラリネットは強く吹くとドが高いソになる、つまり12度上がると説明しています。この性質は管楽器の中でもクラリネットだけなんです。
レジスターキーを押すと、同じ指のまま12度上の音が出ます。運指表で高い音を見ると、低い音とよく似た指にレジスターキーが加わっているのはこのためです。
バスクラはレジスターキーが2本
ウィーンの楽器教育資料では、バスクラのレジスターキーは2本で、クラリネットは1本としています。ビュッフェ・クランポンは、以前のバスクラは1本だったのを、プレステージュで2本にし、音によって使い分ける機構を採用したと説明しています。
| 楽器 | レジスターキーの本数(出典の説明) | 運指表で気にすること |
|---|---|---|
| B♭クラリネット | 1本 | いつもどおり |
| 多くの現在のバスクラ | 2本 | 音によって使い分けるか、自動で切り替わるか |
| トスカ | 3本 | メーカーの運指表で確かめる |
2本目が自動で切り替わる楽器もあれば、そうでない楽器もあります。古い楽器を使う時は、運指表どおりにならないこともあるので、メーカーの説明を一度見ておくと安心です。
高い音の運指はどこまで載っている?
ウィーンの楽器教育資料では、現代のバスクラの音域は実音でB♭1からB5までとされ、両端の音は作曲家にほとんど使われないとしています。運指表によって載っている高さが違うのは、このためでもあります。
『運指表に載っている一番上の音より高い音は吹けないの?』と思うかもしれません。実際の楽譜でそこまで高い音が出ることは少ないので、まずは楽譜に出てくる音を確実に吹けるようにしましょう。
高い音の出し方は、指使いだけでなく口と息の使い方も大切です。詳しくはバスクラの高音のコツで紹介しています。
わかりやすいバスクラの運指表の探し方と覚え方
一番の近道は、自分の楽器のメーカーが出している運指表を使うことです。そのうえで、楽譜に出てきた音から少しずつ覚えていけば十分です。
『わかりやすい運指表ってないの?』という声はとても多いです。バスクラの運指表を探す時は、次の順で当たってみてください。
バスクラの運指表を探す順番
- 楽器に付いてきた取扱説明書に運指表が無いか見る
- 楽器のメーカーの公式サイトで、取扱説明書を探す
- 学校の楽器なら、指導者や先輩が使っている運指表を借りる
例えばヤマハのクラリネット取扱説明書には、アルトクラリネットとバスクラリネット(YCL-622)用の運指図が載っています。PDFで見られるので、印刷して譜面台に置いておくのも便利です。
運指表どおりに押さえても音が出ない時は、楽器側に原因があることもあります。キイのゆがみやタンポの劣化で穴をふさげないと、音が出なかったり音程が悪くなったりすると取扱説明書で説明されています。気になる時は楽器店に点検を相談してみてください。
バスクラの指使いを覚えるコツ
運指表を全部暗記しようとすると、途中で疲れてしまいますよね。実は、曲に出てくる音から覚えていくほうが、指が早くなじみます。
- 新しい曲の楽譜で、知らない音に印を付けたか
- 印を付けた音の指使いを、運指表で1つずつ確かめたか
- その音だけをロングトーンで吹いて、指の形を覚えたか
- 前後の音とつないで、ゆっくり吹けるようになったか
ヤマハは、クラリネットは1音ごとに指使いが違う楽器だと説明しています。だからこそ、1音ずつ指と音を結び付けていく練習が効くんです。
また、左手人差し指で押さえるキイには小さな穴が空いていて、基本的に指でふさぐ所だとマックコーポレーションの取扱説明書にあります。指使いは合っているのに音が出ない時は、この穴をきちんとふさげているかも確かめてみましょう。
替え指はどんな時に使う?
運指表には、同じ音に2つ以上の指使いが載っていることがあります。これが替え指です。
例えばヤマハのYCL-622IIは、仕様に替指E♭キイを挙げています。前後の音とのつながりで、押さえやすいほうを選べるようにしているんですね。
『どっちを使えばいいの?』と迷ったら、まずは基本の指使いで吹けるようにしてから、速いパッセージで指が回らない所だけ替え指を試してみてください。どちらを使うかは、指導者と相談して決めると安心です。
吹奏楽部でよくあるバスクラの運指の相談
運指の相談は「運指表が見つからない」「載っていない音がある」「ロング管のキーが分からない」の3つが中心です。どれも、自分の楽器に合う運指表を手に入れることが解決の第一歩です。
ここでは、バスクラの運指についてよくある相談を、要点をまとめてお答えします。
バスクラの運指表がわかりやすく載っている所はある?
『クラリネットの運指表はあるけど、バスクラのが見つからない』という相談は多いです。まずは楽器のメーカーの取扱説明書を当たってみてください。
ヤマハのクラリネット取扱説明書には、バスクラリネット用の運指図が載っています。他のメーカーの楽器を使っている場合も、取扱説明書を確かめると見つかることがあります。
D♯の指が運指表に載っていない
『楽譜にD♯が出てきたのに、運指表にはE♭しか載っていない』という相談もあります。D♯とE♭は、楽譜の上では同じ高さの音を別の名前で書いたものです。
運指表にD♯が無ければ、E♭の所を見てみてください。同じように、ミ♭やレ♯も同じ音として扱えます。
曲に出てきたミ♭の運指が分からない
バスクラを始めたばかりで、曲の中にミ♭が出てきて指が分からないという相談です。ここでまず確かめたいのは、そのミ♭がどの高さかという点です。
五線の中や上のミ♭なら、B♭クラリネットとほぼ同じ指使いで吹ける音域です。一方、五線のずっと下にあるミ♭は、ショート管の最低音にあたる音で、Low E♭のキーを使います。
| ミ♭の場所 | どの音域か | 運指表で見る所 |
|---|---|---|
| 五線の中や上 | 中音域から高音域 | クラリネットと同じ並びの所 |
| 五線のずっと下 | 楽器の最低音付近 | Low E♭キーの所 |
同じミ♭でも、高さによって押さえる場所はまったく違います。楽譜の位置を確かめてから運指表を引くと、迷わずにすみますよ。
ロング管のLow Cの指が分からない
学校のロング管を使っていて、低いドの指が分からないという相談です。ロング管で増えるキーの形や位置は、メーカーや機種で少しずつ違います。
「運指表の図と、楽器のキーの形が違うんです」
「その運指表、ほかのメーカーの楽器用かもしれないね」
こんなふうに、楽器のメーカーと運指表のメーカーをそろえると、迷いにくくなります。学校の楽器なら、メーカー名と機種を指導者に聞いてから運指表を探すとスムーズです。
指使いに慣れてきたら、練習の進め方はバスクラ初心者が知っておきたいことも参考にしてみてください。
卒業や買い替えで使わなくなったバスクラは、買取に出して次の奏者に回す方法もあります。手元で眠らせておくより、また誰かに吹いてもらえるとうれしいですよね。
バイセル 楽器買取
使わなくなったバスクラは、出張買取で査定してもらう方法も
重くて大きいバスクラは、持ち運ばずに自宅で査定してもらえる出張買取が便利です。バイセルの管楽器買取は出張・宅配・店頭の3つの方法があり、出張料や査定料などの手数料は無料と案内されています。査定前に軽く汚れを拭き、ケースやマウスピースなどの付属品をそろえておきましょう。
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よくある質問
バスクラの運指はクラリネットと同じですか?
中音域から高音域は基本的に同じです。低音域にはバスクラならではの運指があり、Low E♭の楽器とLow Cの楽器でも若干変わります。
バスクラの運指表で最低音はどこまで載っていますか?
楽器の種類で変わります。Low E♭のショート管なら記譜のミ♭、Low Cのロング管なら記譜のドが最低音です。自分の楽器に合った運指表を見てみてください。
バスクラの運指表はどこで手に入りますか?
まずは楽器のメーカーの取扱説明書を確かめてみてください。ヤマハのクラリネット取扱説明書には、バスクラリネット用の運指図が載っています。
チューニングのB♭は、バスクラの楽譜ではどの音ですか?
B♭管なので、楽譜のドにあたります。運指表ではドの所を見てください。
運指表どおりに押さえても音が出ません。
左手人差し指のキイの小さな穴をふさげているか、リードの状態を確かめてみてください。キイのゆがみやタンポの劣化が原因のこともあるので、直らない時は楽器店に相談しましょう。
まとめ
- バスクラの運指は「クラリネットと同じ所・バスクラ独自の所・ロング管だけの所」に分けて覚える
- 運指表は記譜の音で引き、チューニングのB♭は楽譜のドにあたる
- 低いレや最低音が出るかどうかは、ショート管かロング管かで決まる
- 高い音はレジスターキーで12度上の音を出す仕組みで、キーの本数は楽器で違う
- 運指表は自分の楽器のメーカーの物を使い、楽譜に出てくる音から覚える





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