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バスクラ担当になったものの、ケースを開けたら部品が多くて『どこから組み立てればいいの?』と固まってしまった方も多いはずです。
結論から言うと、バスクラの組み立て方は下から順に「ベルと下管」「上管」「ネックとマウスピース」とつなげて、最後にエンドピンを床に立てるだけです。連絡キイを曲げないように、回さずまっすぐ差し込むのがコツなんです。
この記事を読めば、部品の名前と役割、組み立てと片付けの順番がひととおり分かりますよ。
バスクラの組み立て方は?まずは結論
バスクラは「口元」「胴体」「足元」の3つのブロックに分けて考えると覚えやすい楽器です。ベルと下管から組み始めて、ネックとマウスピースは胴体ができてから付けるのがヤマハの取扱説明書の順番です。
部品の数が多く見えるのは、B♭クラリネットより大きくて、パーツごとにキイが付いているからです。
でも、ブロックごとに見ていけば、つなぐ場所は思ったより少ないんですよ。
| ブロック | 主な部品 | 役割 |
|---|---|---|
| 口元 | マウスピース・リガチャー・リード・ネック | 息を吹き込み、音を作る。ネックでチューニングもする |
| 胴体 | 上管・下管 | キイで音の高さを変える。左手が上管、右手が下管 |
| 足元 | ベル・エンドピン(ペグ) | 音を外に出し、床に立てて楽器を支える |

この3ブロックの分け方で、部品の名前から組み立て方まで順に見ていきますね。
バスクラの部品の名前一覧
『この部品、なんて名前?』と先輩に聞くのも、最初は気が引けますよね。バスクラリネットの部品の名前を、取扱説明書の表記に合わせてまとめました。
ヤマハの取扱説明書では、バスクラの各部を「マウスピース、リガチャー(締めネジ)、上管、キイ、下管、ベル、レジスターキイ、吹込管上、吹込管下、固定ネジ、ペグ」と呼んでいます。
マック社の取扱説明書では、もう少し細かく分けて名前を付けています。
| 部品の名前 | どこにある? | 何をする? |
|---|---|---|
| マウスピース | 一番上 | リードを付けて息を吹き込む |
| リガチャー | マウスピースの外側 | リードをマウスピースに留める |
| キャップ | マウスピースにかぶせる | 使わない時にリードを守る |
| ネック(吹込管) | マウスピースと上管の間 | 曲がった金属の管。チューニングもここ |
| ネックチューニング固定ネジ | ネックの途中 | 抜き差しした位置を固定する |
| ネックレジスターキイ | ネック | 高い音域に切り替えるキイ |
| 上管 | 胴体の上側 | 左手で押さえるキイが並ぶ |
| 下管 | 胴体の下側 | 右手で押さえるキイが並ぶ |
| サムレスト | 右手の親指が当たるところ | 右手の親指をかける指掛け |
| ストラップリング | 管体の裏側 | ネックストラップを引っかける |
| Low E♭キイ | 胴体の下のほう | 低いミ♭を出すキイ |
| ベル | 一番下 | 上を向いた金属の朝顔部分 |
| ペグ(エンドピン) | ベルの底 | 床に立てて楽器を支える |
| ペグ固定ネジ | ベルの底 | ペグの長さを固定する |
| スペーサー | ケースの中 | 収納時にペグの代わりに差し込む黒い棒 |
ヤマハは「ペグ」、ほかの資料では「エンドピン」と呼ぶことが多いですが、同じ部品のことです。メーカーによって「キイ」「キー」と書き方が違うのも気にしなくて大丈夫ですよ。
バスクラのキー名称で覚えておきたいもの
バスクラリネットのキー名称は全部覚える必要はありません。最初は次の3つを知っておけば十分です。
- レジスターキー:高い音域に切り替えるキー(ネックや上管にある)
- 左手人差し指のF♯キイ:小さな穴が空いていて、指で塞ぐ
- 連絡キイ:管と管のつなぎ目でつながるキイ。組み立ての時に曲げやすい
マック社の取扱説明書では、左手人差し指で押さえるF♯キイには小さな穴が空いていて、基本的に指で塞ぐ場所だと説明しています。ここが塞げていないと音が出にくくなることもあるんです。
3つのブロックごとの役割を知ろう
部品の名前が分かったら、次はそれぞれが何をしているのかを見ていきましょう。役割が分かると、組み立てる時にどこを大事に扱えばいいかも見えてきますよ。
口元:ネックとマウスピース
バスクラのネックは、B♭クラリネットのバレルにあたる部品です。ただ、形も素材もかなり違います。
バスクラのネックは金属製で、曲がった形をしています。チューニングで抜き差しする場所もこのネックです。
専門誌The Clarinetの実測(ビュッフェ・クランポン Tosca)では、ネックは長さ26.4cm・重さ209gで、木製バレルの約4倍の重さでした。
ヤマハの取扱説明書ではネックを「吹込管上」と「吹込管下」に分けて呼んでいて、2つを連結して固定ネジで留めます。ビュッフェ・クランポンのPrestige(BC1193)も、2ピースネックと説明されています。
バスクラのチューニングで抜く場所はネック
『バスクラのチューニングってどこを抜けばいいの?』という疑問は本当によく聞きますよね。
ヤマハの取扱説明書では、B♭クラリネットはバレルで、バスクラはネック(吹込管上)の抜き差しでチューニングすると説明しています。マック社の取扱説明書でも、ネックのネジをゆるめてマウスピース側の管の抜き具合で調整するとしています。

- 管内に十分息を吹き込んで、楽器を温める
- ネックの固定ネジをゆるめる
- マウスピース側の管を少しずつ抜き差しして音程を合わせる
- 合ったら固定ネジを締めて動かないようにする
ヤマハの取扱説明書には、チューニングは管内に十分息を吹き込み楽器を温めてから行うよう書かれています。吹き始めてすぐに合わせると、あとで音程がずれやすいんです。
マウスピースとリードの付け方
リードの位置は、マック社の取扱説明書では先端がマウスピースの上端よりほんの少し下(髪の毛1本分程度)とされています。ヤマハの取扱説明書でも、マウスピースの先端がほんの少し見えるくらいの位置としています。
楽器店のリペアの解説では、バスクラにテナーサックスのマウスピースは使えないと説明しています。ジョイントのコルクが、バスクラはマウスピース側、テナーサックスはネック側にあるからです。
胴体:上管・下管とレジスターキー
胴体は、左手で押さえる上管と、右手で押さえる下管の2本です。一番重いのもこのブロックなんです。
The Clarinetの実測では、上管は長さ40.0cm・重さ1071g、下管は長さ64.2cm・重さ1775gでした。上管はB♭クラリネットの約2倍の長さで、重さは約3.5倍あります。
バスクラのレジスターキーは2本ある
バスクラリネットのレジスターキーは、B♭クラリネットとの大きな違いの一つです。
ウィーンの楽器教育資料では、バスクラは2本のレジスターキーを持ち、クラリネットは1本だけと説明しています。2本目は1本目などと連動して自動で動くものと、機械式で動くものがあるそうです。
ビュッフェ・クランポン・ジャパンのテスターへのインタビューでは、以前のバスクラのレジスターキーは1本だったと説明されています。Prestigeで2本にして音によって使い分ける仕組みを取り入れ、音域を越える時の音程と発音を改善したそうです。
| 機種・資料 | レジスターキーの本数・表記 |
|---|---|
| 以前のバスクラ | 1本 |
| ビュッフェ・クランポン Prestige | 2本(今はこの考え方が標準) |
| ビュッフェ・クランポン Tosca | 3本(Clear B♭) |
| セルマー プリヴィレッジ | 「自動オクターブ・キー」と表記 |
| ヤマハ YCL-621II/622II | 「E♭⇔Eレジスター切換え」と表記 |
メーカーによって「レジスターキー」「オクターブ・キー」と呼び方が違いますが、高い音域に切り替えるキーのことです。クラリネットは12度上がるので、厳密にはオクターブではないんですね。
マック社の取扱説明書では、ネックレジスターキイを握ると故障の原因になり、音が出なくなると注意しています。組み立てや片付けでネックを持つ時は、キイのない管の部分を持つようにしましょう。
足元:ベルとエンドピン
バスクラリネットのベルは、B♭クラリネットとは向きが逆です。専門誌The Clarinetでは、B♭クラリネットは円錐形で下向き、バスクラはJ字形で上向きのベルと説明しています。
The Clarinetの実測では、バスクラのベルは長さ34.0cm、ベル部の直径13.6cm、重さ590gでした。
バスクラのベルとLow E♭
セルマーのプリヴィレッジLow E♭モデルでは、ベルにE/E♭の音をそろえるためのレゾナンス・ホールがあると説明されています。
ビュッフェ・クランポン・ジャパンのテスターへのインタビューでは、Low Dモデルの話が出てきます。低いミ♭をベルではなく管体側の音孔から出せるので、まわりの音と音色をそろえやすいそうです。
ベルは音の出口であると同時に、一番低い音にも関わる部品なんです。
エンドピンで床に立てる
エンドピンは、バスクラにあってB♭クラリネットにはない部品です。The Clarinetでは、楽器を支える金属の棒で、床に突き立てて使い、高さを調節できるので座奏にも立奏にも対応すると説明しています。
楽器店のリペアの解説では、ケースにはエンドピンを保管する場所があり、管体の中に入れて保管すると内側にキズを付ける原因になるとしています。エンドピンの長さの合わせ方はバスクラのエンドピンで紹介しています。
バスクラの組み立て方の手順
ここが大事なところです。ヤマハの取扱説明書の順番で、バスクラリネットの組み立て方を見ていきましょう。

- 下管にベルを取り付ける(ベルの底を右手で支えてジョイントの中ほどまで入れ、右手の親指でベルのタンポ皿を押さえたまま奥まで入れる)
- 上管と下管を、回さずに連絡キイの位置を確かめながらまっすぐ差し込む
- 吹込管下と吹込管上をつないで固定ネジで留め、マウスピースを差し込んでから上管に差し込む
- ベルにペグを差し込み、床に立てる
- 演奏する姿勢に合わせてペグの長さを調整する
ヤマハの取扱説明書では、吹込管、上管、下管、ベルのそれぞれに連絡キイが出ているので、傷つけたり曲げたりしないよう注意しています。
組み立てる前に準備しておくこと
組み立てを始める前に、まわりの準備をしておくと慌てずに済みますよ。
- ケースを床か低い台の上に、平らに置いて開ける
- 部品を取り出す時は、キイではなく管の部分を持つ
- リードを先に口に含むか水で湿らせておく
- エンドピンを立てる床の場所を決めておく
マック社の取扱説明書では、リードが乾燥していると振動せず音が出ないことがあると説明しています。組み立てている間にリードを湿らせておくと、吹き始めがスムーズですよ。
B♭クラリネットとの組み立ての違い
B♭クラリネットから持ち替えた人は、『バレルはどこ?』と探してしまうこともありますよね。違うところを比べておきましょう。
| 比べるところ | B♭クラリネット | バスクラ |
|---|---|---|
| 口元の部品 | バレル(木) | ネック(金属・2つに分かれることも) |
| チューニング | バレルを抜く | ネックを抜き差しして固定ネジで留める |
| 足元 | ベルで終わり | ベルにペグを差し込む |
| 組んだ後 | 手で持つ | 床に立てて支える |
マック社の取扱説明書の順番
マック社の取扱説明書では、少し違う順番を紹介しています。
| 順番 | ヤマハの取扱説明書 | マック社の取扱説明書 |
|---|---|---|
| 1 | 下管にベル | マウスピースをネックに付ける |
| 2 | 上管と下管 | ベルと下管 |
| 3 | ネックとマウスピースを上管へ | ベルにペグ |
| 4 | ベルにペグ | 下管と上管 |
| 5 | ペグの長さを調整 | ネックと上管 |
どちらも「ベルと下管、上管で胴体を組んでから、ネックを上管へ付ける」点は同じです。使っている楽器の取扱説明書があれば、そちらの順番に合わせてみてください。
つなぎ目が固い時は
『差し込もうとしたら固くて入らない…』ということもありますよね。無理に押し込むと、連絡キイを曲げてしまうことがあります。
ヤマハとマック社の取扱説明書では、接合部が固い時はコルクグリスを差し込む側に薄く塗り、それでも固ければ受け側にも塗るよう説明しています。塗りすぎないのがポイントです。
上管と下管を、ねじるように回しながら差し込んでしまうことです。ヤマハの取扱説明書では、回さずに連絡キイの位置を確かめてまっすぐ差し込む手順になっています。
片付け方は組み立ての逆順で
片付けは、組み立てた順番を逆にたどると覚えやすいですよ。口元から外して、最後にベルと下管を分けます。
- リガチャーをゆるめてリードを外し、マウスピースとネックを上管から外す
- ペグをゆるめて抜き、ケースの保管場所に入れる
- 上管と下管を、回さずにまっすぐ抜く
- 下管からベルを外す
- 水分を取ってから、各部品をケースの決まった場所に収める
ネックにたまった水はどうする?
ネックの中に水がたまって、ゴボゴボと音がすることもありますよね。マック社の取扱説明書では、吹いている途中で急に音が出なくなった時はトーンホールにたまった水分が原因のことがあると説明しています。
その場合は、キイを開いて息で水分を飛ばし、クリーニングペーパーで取るよう書かれています。片付けの時は、ネックもほかの部品と同じように水分を取ってからケースにしまいましょう。
ヤマハの取扱説明書では、スワブはLサイズがバスクラの管体用とされています。吹いた後の手入れはバスクラのお手入れで詳しく紹介しています。
マック社の取扱説明書では、ケースに収める時にペグの代わりに差し込む黒い棒を「スペーサー」と呼んでいます。ケースにスペーサーがある楽器なら、忘れずに差し込んでおきましょう。
組み立てたまま少し置いておきたい時は、スタンドを使う方法もあります。置き方はバスクラのスタンドと置き方で紹介しています。
知恵袋でよくある組み立て・ネックの相談
Yahoo!知恵袋には、バスクラの組み立てやネックについての相談が多く寄せられています。閲覧の多いものから3つ選んで、要点をお答えしますね。
ネックにネジがあって管の長さを調節できるけれど、音程が高くてかなり抜いているという相談です。
バスクラのチューニングで抜く場所は、ネックで合っています。ネジをゆるめてマウスピース側の管を抜き差しし、合ったらネジを締めます。
東京佼成ウインドオーケストラの楽団員の解説では、チューニングで使う記譜のシ(もしくはド)は楽器の性質上とても高くなりやすいとされています。その音だけで判断せず、ほかの音の音程も確かめてみてください。
チューニングで抜き差しするネックの部分が硬くなって、動かしにくいという相談です。
『力を入れたら曲がりそう…』と不安になりますよね。ネックは金属で、レジスターキイも付いているので、無理に力をかけるのは避けましょう。
ネックやキイが曲がると音が出なくなることがあると、マック社の取扱説明書にも書かれています。自分で直そうとせず、楽器店で点検してもらうと安心です。
バスクラを任されたけれど、組み立て方がよく分からないという相談です。
この記事の「組み立て方の手順」の順番で進めれば大丈夫です。最初は先輩や指導者に横で見てもらいながら、一緒に組み立ててみてください。
「ベルから付けるんだっけ?」
「そう。最後にネックとマウスピースを上管に差して、エンドピンを立てたら完成だよ」
バスクラそのものの基本はバスクラとは?でまとめています。
卒業や引退、買い替えで使わなくなったバスクラは、買取に出して次の奏者に回す方法もあります。
バイセル 楽器買取
使わなくなったバスクラは、出張買取で査定してもらう方法も
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よくある質問
バスクラはどの順番で組み立てればいいですか?
ヤマハの取扱説明書では、下管にベル、上管と下管、ネックとマウスピースを上管へ、ベルにペグの順です。最後に演奏する姿勢に合わせてペグの長さを調整します。
バスクラのチューニングはどこを抜きますか?
ネックの抜き差しで合わせます。ネックの固定ネジをゆるめてマウスピース側の管を動かし、合ったらネジを締めます。
バスクラのレジスターキーはなぜ2本あるのですか?
音によって使い分けて、高い音域に切り替える時の音程と発音を整えるためです。以前は1本でしたが、今は2本が標準的で、3本の機種もあります。
片付けの時、エンドピンはどこにしまいますか?
ケースにあるエンドピンの保管場所にしまいます。管体の中に入れて保管すると、内側にキズを付ける原因になると楽器店のリペアの解説で注意されています。
組み立てる時に一番気をつけることは何ですか?
連絡キイを曲げないことです。管を回さず、キイの位置を確かめながらまっすぐ差し込みましょう。ネックレジスターキイを握らないことも大切です。
まとめ
- バスクラは口元(マウスピース・ネック)、胴体(上管・下管)、足元(ベル・エンドピン)の3ブロックで考える
- チューニングで抜く場所はネックで、合わせたら固定ネジを締める
- レジスターキーはB♭クラリネットの1本に対して、バスクラは2本が標準
- 組み立ては足元と胴体が先、ネックとマウスピースが最後
- 管は回さずまっすぐ差し込み、連絡キイとネックレジスターキイを守る





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